TACは東京証券取引所(スタンダード市場)にも上場している日本最大手の資格試験対策予備校です。その校舎の多くは都市部にありますが、校舎に通えない人のために通信講座も開講しています。
今回はTAC FP講座の口コミや評判を確認しつつ、この講座の特徴とメリット・デメリットを解説します。ぜひ参考にしてみてください。
TAC FP講座の口コミ・評判
TAC FP講座を実際に受講した人の口コミは残念ながら非常に少ないです。今回はYahoo!知恵袋で確認できたTAC FP講座元受講生の投稿を紹介します。
総じてTAC FP講座の評判は良いです。口コミを読むと実際に合格者も出ていることがわかります。有名な資格予備校の通信講座なので、それほど心配せずに受講することができるでしょう。
とは言え、人によってはTAC FP講座の教材が自分に合わないと感じることもあるかもしれません。もし受講開始後にそんなことになると、ちょっと悲しいですよね。それが合否に影響してしまったら最悪です。
そんな事態を避けるための良い方法があります。予め無料の資料請求を行い、体験受講を利用しましょう。自分に合った講座なのかどうかを手軽に確かめることができます。
TAC FP講座の特徴
TAC FP講座の特徴を「取扱っている級」「講師」「プラン」の3つの観点で解説します。
3級から1級・CFPまでの合格をサポート
せっかくFPの勉強をするならFP1級やCFPといった最上位資格を目指したい。1級・CFPを取得できたらキャリアアップや独立にもきっとつながるだろう。そう考える人は珍しくありません。
しかしながら、多くの通信講座ではFP1級やCFPの合格を目指すプランを販売していないのが現状です。1級やCFPを受験する人は2級・3級を目指す人に比べると少なく、採算をとりつつ講座を運営していくのが難しいからでしょう。
そんな中、TACは2級・3級の合格講座だけでなく、1級やCFPの合格を目指す人のための講座も開講しています。つまりTACは「知識ゼロ」から「FPのスペシャリスト」になるまでの全工程を支援してくれるのです。
1級・CFPの合格を目指す人にとって、TAC FP講座は数少ない選択肢の1つであると言えます。
講師陣はFPの実務家と受験指導のプロ
一般的なFP通信講座では講師は1人、多くても3人くらいが普通です。これに対し、TAC FP講座の担当講師は20人以上に上ります。
それぞれの講師が専門領域を持っており、実務経験・指導経験に基づく知見を講義・テキスト・問題演習に反映しています。一流の講師に導かれるからこそ、受講生はスムーズにFP技能検定の合格へと歩みを進めていくことができるんです。
選べるプラン
TAC FP講座は受講生の現在の状況(初学者か学習経験者か、受験資格の達成状況等)に合わせて選べるよう、いくつもの選択肢を用意しています。ここでは3級と2級の主なプランを確認します。
3級から学習したい方向け
- 3・2級本科生
- 3級本科生
2級から学習したい方向け
- 2級本科生
- 2級技能士コース
- 税理士特例コース
3級から学習したい場合は「3・2級本科生」「3級本科生」の2つの選択肢があります。
「最初は3級の学習をするけれど、最終的にはFP2級を取得する」と決めている方は「3・2級本科生」を受講すると良いでしょう。
これに対し「2級は考えていない」または「2級を取るかは迷っている」という方は「3級本科生」を選択するのがお勧めです。
2級から学習したい場合は「2級本科生」「2級技能士コース」「税理士特例コース」の3つの選択肢があります。
「2級本科生」と「2級技能士コース」の違いは「2級の受験資格があるかどうか」です。2級の受験資格がまだない方は「2級本科生」を受講します。これに対し、2級の受験資格を持っている方は「2級技能士コース」を受講します。
「税理士特例コース」は税理士または公認会計士の登録者の方向けの特別コースとなっています。
以上のように、同じ級でも自分の知識レベルに合ったプランを選択できることがTAC FP講座の大きな特徴となっています。
TAC FP講座を受講するメリット
TAC FP講座を受講するメリットは次の3つです。
- 3級を飛ばして2級を受験できる
- きんざいの実技試験に対応している
- 教育訓練給付制度を利用できる
3級を飛ばして2級を受験できる
TAC FP講座を受講するメリットの1つ目は「3級を飛ばして2級を受験できる」ことです。
前提として、2級FP技能検定の受験には受験資格があります。原則として次のいずれかを満たしていなければなりません。
- 3級FP技能検定に合格している
- 2年以上の実務経験がある
- 日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了している
つまり上記のうち1つを満たせば、それが2級の受験資格になるということです。ただ「FP3級の合格」はそれなりの労力がかかりますし、「2年以上の実務経験」は時間がかかり過ぎます。他方「AFP認定研修」は決められた講座を受講し、修了すればOKです。
そして、TAC FP講座が提供するプランのうち次のものは「AFP認定研修」を兼ねたカリキュラムとなっています(2024年8月現在)。
- 3・2級本科生
- 2級本科生
- 税理士特例コース
上記の講座を受講し、所定の要件を満たして修了すると、3級合格を経ずにFP2級を受験することが可能です。
はじめから2級FP技能士資格の取得を目的としている人にとって、3級の受験はできるなら省略したいところ。そうすれば数か月単位で時間を浮かせることができますし、2級の試験対策に集中して一発合格の可能性をいっそう高めることができます。
3級をスキップして2級を受験したいと考えている方は、ぜひTACのFP講座を受講しましょう。
きんざいの実技試験に対応している
TAC FP講座を受講するメリットの2つ目は「きんざいの実技試験に対応している」ことです。
2級・3級FP技能検定はNPO法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)と一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)の2つの団体が実施しています。どちらで申し込んでも筆記試験は共通です。
これに対し、実技試験はどちらで申し込むかによって試験内容が変化します。
一般的に、日本FP協会の実技試験にはどの会社の通信講座も対応しています。他方、きんざいの実技試験に対応している通信講座はあまり多くないのが実情です。
そんな中、TAC FP講座は日本FP協会の実技試験だけでなくきんざいの実技試験に対応しています。
「日本FP協会で受講するか、きんざいで受講するか決めかねている」という人や「職場からきんざいで受講するように言われている」といった人にとって、非常にありがたい存在です。
きんざいが実施する実技試験は選択式ですが、TACがその全てに対応しているわけではありません。下記を参考にしてください。
3級FP技能試験 きんざいの実技試験科目 | TACの対応状況 |
---|---|
個人資産相談業務 | ○ |
保険顧客資産相談業務 | × |
2級FP技能試験 きんざいの実技試験科目 | TACの対応状況 |
---|---|
個人資産相談業務 | ○ |
中小事業主資産相談業務 | × |
生保顧客資産相談業務 | × |
損保顧客資産相談業務 | × |
教育訓練給付制度を利用できる
TAC FP講座を受講するメリットの3つ目は「教育訓練給付制度を利用できる」ことです。
教育訓練給付制度は厚生労働省によるスキルアップ応援制度です。現在会社に勤めている方や離職後1年以内の方がTAC FP講座の対象プランを受講し修了すると、ハローワークから受講料の20%を受け取ることができます(雇用保険の加入年数等、所定の要件あり)。
教育訓練給付制度を利用する場合、申し込み時は受講料全額を支払う必要がありますが、後で給付金を受け取ることで費用をおさえられます。なお、もしFP技能検定に合格できなくても、給付金をもらえるかどうかには影響しません。
参考のためにTAC FP講座の「受講料」「給付金額の目安」「受講料から給付額を差し引いた実質負担額」をお示しすると、次の表の通りです。
対象講座 | 受講料 | 給付額の目安 | 実質負担額 |
---|---|---|---|
2級本科生 | 101,000円 | 20,200円 | 80,800円 |
2級技能士コース | 96,000円 | 19,200円 | 76,800円 |
たとえばTAC FP講座「2級本科生」を購入した場合、受講料は95,700円かかりますが、諸条件を満たして修了することによりハローワークから19,140円の支給を受けられます。したがって実質負担額は差引額の76,560円です。
このようにして受講料の2割相当の負担を給付金で帳消しにできます。教育訓練給付制度を活用したい方はTAC FP講座を受講しましょう。
TAC FP講座のデメリット
TAC FP講座を受講するデメリットは次の3つです。
- 合格実績がわからない
- 受講料が高い
- 合格特典がない
合格実績がわからない
TAC FP講座を受講するデメリットの1つ目は「合格実績がわからない」ことです。
TAC の公式サイトでは受講生の合格率や合格者数が公開されていません。
そのため「この講座で勉強すれば合格できそうかどうか」を判断する材料が全然ないということになります。どの講座を受講するか検討する側としては、困ってしまいますよね。
仮にTAC で受講を始めたとしても「本当にこの講座で大丈夫なのだろうか…」と不安になってしまうことでしょう。
このことから、合格実績がわからないことはTAC FP講座の大きなデメリットであると言えます。
受講料が高い
TAC FP講座を受講するデメリットの2つ目は「受講料が高い」ことです。
2級FP講座の受講料の相場は6~7万円であると言われています。これに対し、TACの「2級本科生」の受講料は101,000円。他の講座と比べて割高です。
もちろん、受講料が高いぶん教材や講師のクオリティは他の通信講座よりも優れていることでしょう。とはいえ、他の講座の受講生が合格している中で、果たしてTACを受講するべきか?と悩んでしまうと思います。
その答えはあなた自身の中にしかありません。まずはTACや他講座の無料体験に申し込んで、どの講座が自分に合うのかを見極めると良いでしょう。
合格特典がない
TAC FP講座を受講するデメリットの3つ目は「合格特典がない」ことです。
各社の通信講座を見てみると、合格特典を用意していることが多いです。たとえば次のような特典があります。
- アガルートの合格特典
- お祝い金1万円または全額返金
- スタディングの合格特典
- 合格お祝いAmazonギフト券 最大3,500円分
- フォーサイトの合格特典
- 合格お祝いAmazonギフト券 最大2,000円分
これに対し、TAC FP講座では合格特典は何もありません。もし何か少しでもあれば勉強のモチベーションになるのですが、TACを受講した場合はそういうものは期待できないと理解しておきましょう。
とは言うものの、合格特典は結局のところ「受講料に上乗せされるコスト」でもあります。つまり、あなたが合格特典を受け取るとしても、その原資(財源)はあなたが支払った受講料なんです。
「自分が支払った分を自分で取り返しているだけ」「しかも不合格のときは取り返せない」のだったら、最初から無い方が良いとすら思えてきますよね。
逆に「TACは合格特典を無くすことで受講料を現状の価格に保っている」と考えれば、むしろTACを受講することは経済合理的な選択なのかもしれません。
まとめ:TAC FP講座はこんな人におすすめ
ここまでの内容をまとめると、TAC FP講座は次のチェックリストに多く当てはまっている人におすすめです。
- 東京証券取引所にも上場している一流の資格試験対策予備校の講座で学びたい
- 都市部でない場所に住んでいるが、都市部の人と同レベルの講座を受講したい
- 3級や2級だけでなく、1級やCFPの取得も視野に入れている
- 多くの講師が所属している講座には安心感・信頼感があると感じる
- 実はFP2級の受験資格ががあるので、そういう人専用のプランを受講したい
- 実は税理士試験または公認会計士試験に合格済みなので、そういう人専用のプランを受講したい
- 3級を飛ばして2級を受験しようと考えている
- きんざいの実技試験を受験する、またはその可能性がある
- 教育訓練給付制度を活用したい
- 合格実績がわからないことは気にならない
- 受講料が少々高くても問題ない
- 合格特典が無くても構わない
目安として、上記12個のうち5個以上の項目に当てはまっていれば、TAC FP講座はあなたに適していると言って良いでしょう。ぜひ項目を1つ1つチェックし、自分に該当しているかどうかを考えてみてください。